高校受験の夏休みの目標は「1日8時間・240時間」がひとつの基準
高校受験の夏休みは、どれだけ勉強したらいいのか。これは本当によくいただく質問です。
「うちの子は240時間も必要なのか、志望校別に何を優先すべきか迷っている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。」
目標は1日8時間、30日で240時間。
まずはここをひとつの基準にするといいと思います。
この数字を聞くと、「え、多すぎじゃない?」と思うかもしれません。
でも、ここは一度、冷静に考えてみてほしいんです。
240時間あっても、5教科で割ると1教科48時間しかない
240時間を5教科で割ると、1教科あたりにかけられる時間は48時間です。
240 ÷ 5 = 48時間。
48時間というと、丸2日です。
つまり、1科目あたり実質“たった2日分”しか勉強できないということです。
「2日あれば定期テストはなんとかなる」と思う人もいるかもしれません。
でも、高校受験でやるのは定期テスト1回分ではありません。
3年間分の内容です。
高校受験で夏休みにやるのは「3年間分の復習」
中学校の定期テストは、ざっくり言えば
1年生で4回、2年生で4回、3年生で4回という形で進んでいきます。
つまり、受験勉強では12回分の定期テスト内容を相手にすることになります。
それを、1教科あたりたった48時間、つまり丸2日でやるわけです。
これ、かなりきついです。
もっと言えば、教科書1冊を2日でしっかり理解して使える状態にできるか。という話になってきます。
そう考えると、夏休みに240時間勉強すると聞いて「多すぎる」と感じても、実際はむしろ逆です。
それだけやっても終わらないのが普通です。
上位校を狙うなら、夏休みの段階で全範囲を終えるのが理想
もちろん、夏だけで全教科を完璧に仕上げる生徒はほとんどいません。
ただ、上位校を狙う場合は話が変わります。
目安として、本番で400点以上必要な学校を目指すなら、
夏休みの段階で入試範囲を一通り終えている状態を目標にしたいです。
なぜかというと、学校の進度に合わせて普通に勉強していると、全範囲が終わるのはだいたい1月です。
そこから1か月で過去問に入り、8割近く取れるようにするのは、正直かなり厳しいです。
もともと理解が早く、一度やればすぐ身につくタイプなら間に合うかもしれません。
でも、そういう生徒ばかりではありません。
だからこそ王道は、早めに全範囲を終わらせる→ 秋から過去問対策に入るという流れです。
この形に入れるかどうかで、受験の安定感はかなり変わります。
偏差値60〜65以上を狙うなら、夏休み240時間はほぼ必須
全県模試で偏差値60〜65以上、あるいは本番で400点以上を狙う生徒にとっては、夏休みの240時間はかなり重要です。
このレベルの生徒は、夏休み中に
5教科の入試範囲を一通り終える
弱点単元を洗い出す
秋に過去問へ入れる状態をつくる
ここを目標にしたいです。
たとえば、神奈川県内でいえば
横浜翠嵐高校
湘南高校
川和高校
多摩高校
新城高校
あたりを狙うなら、この夏の過ごし方はかなり大事です。
また、最近は
生田高校
市ケ尾高校
橘高校
あたりもレベルが上がってきています。
そのため、このあたりを志望している生徒も、できれば夏休み中に全範囲を終えるつもりで動いてほしいと思います。
偏差値50〜60の生徒は「全部終わらせる」より優先順位が大事
一方で、偏差値50〜60くらい、
本番で300点〜350点を狙う生徒の場合は、少し考え方が変わります。
この層は、夏休みの間に全科目・全範囲を完璧に終わらせなくても大丈夫です。
ただし、やるべきことの優先順位ははっきりしています。
英語は夏休みのうちに「入試問題に入れる状態」まで持っていく
まず、英語です。
最低でも、前半の文法が終わっている状態にしておきたいです。
そのうえで、長文読解や文法問題など、入試形式の問題に入れる状態まで持っていくのが理想です。
英語は積み上げ科目です。
後回しにした分だけ、秋以降かなり苦しくなります。
しかも英語は、短期間で一気に伸ばすのが難しい教科です。
だからこそ、夏の時点でどこまで作れるかが本当に大きいです。
理科・社会は1・2年の内容を夏休み中に思い出しておく
次に、理科と社会です。
この2教科は、3年生の内容を進めながらでも勉強できます。
ただし、1・2年の内容を夏休み中にある程度思い出しておくことは必須です。
なぜなら、1か月で理科・社会の1・2年範囲をゼロから全部思い出すのは、かなり厳しいからです。
というより、正直ほぼ不可能です。
夏に復習していないと、秋以降に3年範囲と過去の内容が混ざってしまい、勉強が前に進みにくくなります。
理科・社会で伸びきれない生徒の多くは、ここでつまずきます。
だから、夏休みは、理科・社会の1・2年内容を一通り戻す。ここは外せません。
数学は志望校次第
60点目標なら後半単元は戦略的に考えていい
数学については、志望校によって優先順位が変わります。
もし本番で60点前後を取れれば合格ラインに届くのであれば、後半の図形などを夏の段階で完璧にしなくても、十分戦える可能性はあります。
もちろん、できるに越したことはありません。
ただ、英語や理科・社会の土台がまだ弱いのに、数学の難しい単元だけに時間をかけすぎるのは効率がよくありません。
大事なのは、全部を均等にやることではなく、合格に必要な点を取るために何を優先するかです。
国語と英語は夏休みでかなり勝負が決まる
特に意識してほしいのは、国語と英語は夏の時点でかなり差がつくということです。
夏休みの模試で偏差値50だった生徒が、本番でいきなり70まで上がる。
これは、ほぼありません。
もちろん多少の上下はあります。
でも、基本的には夏までに作った実力で、そのまま本番まで走ることになります。
そう考えると、夏休みの間にやるべきことははっきりしています。
国語と英語の点数を上げること。
特に、英語を上げることです。
英語は伸びるまでに時間がかかる教科だからこそ、夏の1か月をどう使うかで、その後が大きく変わります。
高校受験の夏休みの目標は「時間」だけでなく「終わらせる範囲」で決める
ここまでをまとめると、高校受験の夏休みは、ただ長時間勉強すればいいわけではありません。
大事なのは、何時間やるかと同じくらい、どこまで終わらせるか。
上位校を狙う生徒
目標は1日8時間、30日で240時間
夏休み中に5教科の入試範囲を一通り終える
秋から過去問対策に入る
偏差値50〜60帯の生徒
英語は前半文法を終え、入試問題に入れる状態にする
理科・社会は1・2年範囲を思い出しておく
数学は志望校に応じて優先順位をつける
国語と英語、特に英語を夏のうちに上げる
夏休みは長いようで、実はあっという間です。
でも見方を変えると、受験の流れを変えられる最後の大きなまとまった時間でもあります。
「まだ夏休みあるし」ではなく、
「夏休みしかない」と考えて動けるかどうか。
そこが、高校受験では本当に大きいです。